温泉には多くの美容効果があることで知られていますね^^
冷え性改善、シミ抜き、便秘改善、ピーリング効果、クレンジング効果、保湿、月経不順改善・・・
美容目的で温泉に入る女性も多いのではないでしょうか。
しかし、美容に良い具体的な温泉の条件、あなたはきちんと知っていますか?
せっかくなら、美容効果の高い温泉を選んで入りたいですよね。
今回は「美肌」に着目し、美肌の湯の条件と、泉質を重視した本格派美肌温泉をまとめました。
温泉ランキングだけを見たい方は、この記事の最下部をご覧くださいね。
美肌の湯の条件は?
美肌の湯は、この4点で見分けられます^^
- 温泉の泉質(成分)
- 温泉のpH値(酸性~アルカリ性)
- 温泉の利用状況(源泉100%?加水?消毒?)
- 天然保湿成分メタケイ酸の有無
この4点を、ひとつずつ詳細に見ていきましょう。
美肌の湯と言われる温泉の泉質
まず1点目は、温泉の泉質(成分)です。
温泉の薬理効果
温泉には薬理効果=温泉に含まれる効能成分による効果があります。
美肌を目指すなら、次に挙げる「美肌に効果のある効能成分」が含まれている温泉を選びましょう^^
美肌に効果のある効能成分
主に下記の5つが挙げられます。
ナトリウム イオン | ・皮脂と反応し乳化、除去する ・肌の水分含有量を調整する | 泉質名や 温泉分析書を確認する |
---|---|---|
カルシウム イオン | ・鎮静作用によるかゆみ抑制 ・皮膚細胞の再生 ・肌の弾力性回復 | |
硫黄 | ・メラニン生成を抑制・除去 ・皮脂分泌を抑制 ・殺菌効果 ・角質を軟化させる | |
水素イオン | ・抗酸化作用(アンチエイジング) ・老化の原因である活性酸素を除去 | 日本の温泉中の溶存は 白馬八方温泉おびなたの湯のみ |
メタケイ酸 | ・肌のセラミドを整える | 温泉分析書を確認する |
とは言っても、ひとつずつチェックするのはめんどくさいですね笑
なので、まずは温泉の「泉質名」だけ見ればOKです。
泉質とは?
温泉の中でも、治療の目的に使えるものを「療養泉」と言い、「泉質名」がついています。
療養泉は下記10種類の泉質に分類されます。(平成26年7月環境省「鉱泉分析法指針」より)
さらに、陽イオンの種類等により細別化されます。
泉質で見ると、ナトリウム-炭酸水素塩泉、カルシウム-硫酸塩泉、硫黄泉が美肌の湯です。
掲示用 泉質名 | 定義 (温泉水1kg中の溶存物質量) | 特徴・効果・効能 |
---|---|---|
単純温泉 | 1000mg未満で 泉温が25度以上 | ・無色透明、無味無臭 ・刺激が少なく肌に優しい |
二酸化炭素泉 | 遊離炭酸1000mg以上 | ・赤褐色 ・ラムネの湯とも言われる ・高血圧、動脈硬化、切り傷、火傷 |
炭酸水素塩泉 | 1000mg以上で うち陰イオンの主成分が 炭酸水素イオン | ・無色透明 ・ナトリウム炭酸水素塩泉は美肌の湯 ・切り傷、火傷、慢性皮膚病など |
塩化物泉 | 1000mg以上で うち陰イオンの主成分が 塩化物イオン | ・保温、殺菌効果 ・切り傷、火傷、慢性皮膚病 |
硫酸塩泉 | 1000mg以上で うち陰イオンの主成分が 硫酸イオン | ・特に薬理効果が高い ・カルシウム硫酸塩泉は美肌の湯 ・動脈硬化、切り傷、慢性皮膚病 |
含鉄泉 | 総鉄イオン20mg以上 | ・赤色、赤褐色、黄色 ・月経障害、飲用で貧血改善 |
含よう素泉 | 1000mg以上で よう化物イオン10mg以上 | ・茶褐色 ・殺菌効果 ・飲用で高コレステロール血症 |
硫黄泉 | 総硫黄2mg以上 | ・美肌の湯 ・湯の花がよく見られる ・慢性皮膚病、慢性婦人病、切り傷 |
酸性泉 | 水素イオン1mg以上 | ・非常に強い殺菌効果 ・慢性皮膚病 |
放射能泉 | ラドンを3ナノキュリー以上 | ・痛風、高血圧、動脈硬化、胆石症 |
温泉のpH値
2点目はpH値です。
pHは水溶液の性質を表す指標
pH(ペーハー)は、0~14で表されます。
pH7が中性、それ未満を酸性、それ以上をアルカリ性としています。
数値が両端にいくほど、効果が強くなります。
pH値 | 性質 | 効果 |
---|---|---|
pH2未満 | 強酸性 | ・肌の古い角質を溶かすピーリング効果 ・殺菌効果 ・肌が一皮むけてツルツルになる |
pH2以上3未満 | 酸性 | |
pH3以上6未満 | 弱酸性 | ・肌と同じ濃度であり肌に優しい |
pH6以上7.5未満 | 中性 | ・肌に優しい |
pH7.5以上8.5未満 | 弱アルカリ性 | ・アンチエイジング効果(還元性、抗酸化性) ・肌の油分や汚れを落とすクレンジング効果 ・肌の油分が乳化してヌルヌルする |
pH8.5以上10未満 | アルカリ性 | |
pH10以上 | 強アルカリ性 |
アルカリ性のお湯は美肌の湯
一般的に、アルカリ性のお湯は美肌の湯と言われています。
人の肌は弱酸性ですが、汚れると酸性に傾きます。
アルカリ性の温泉に入ることで中和され、汚れや古い角質が取れるのです。
アルカリ性のお湯がヌルヌルするのは、お湯自体でなく肌の油分や汚れが中和されている証拠です。
強アルカリ性のお湯になると、クレンジング効果が非常に高く、石けんが不要です。
よって、上で述べたどの泉質でも、アルカリ性の場合はアンチエイジング効果やクレンジング効果が期待できます。
酸性も美肌の湯?
酸性のお湯のピーリング効果も、使い方次第で美肌の助けになりますよね。
実際、酸性泉は慢性皮膚病に効果がありますし、ニキビ治療ではピーリングや殺菌はよく耳にします。
ご自身の肌の状態に合わせ、使い分けることが大切ですね。
温泉の利用状況
3点目は温泉の利用状況です。
温泉施設が、どんなふうにお湯を「利用」して浴槽に注いでいるか?という意味です。
温泉施設に掲示されている成分は、あくまで源泉のものです。
源泉のお湯に、「施設がどのような処理を施して浴槽内に注いだか」が一番重要なポイントです。
浴槽でのお湯の状態を見極める!
温泉の成分がどんなに素晴らしくても、私たちが入る浴槽内では、実は全く別物!なんてこともあります。
「浴槽内でも素晴らしいお湯」を見分けるにはどうすればいいのでしょうか?
公正取引委員会の見解による呼称をまとめてみました。
呼称 | 加温 | 加水 | お湯の状態 |
---|---|---|---|
かけ流し | ○ | ○ | ・お湯の再利用をしない ・加温と加水が認められている |
源泉 かけ流し | ○ | × | ・お湯の再利用をしない ・加温が認められている(効能成分への影響は少ない) ・温泉成分が濃く、比較的効能が高い |
源泉100% かけ流し | × | × | ・お湯の再利用をしない ・加温も加水も認められていない(源泉100%そのまま) ・温泉成分が濃く、効能が高い ・温泉成分が浴槽に付着し石化したり、湯の花が多い |
循環ろ過 | ○ | ○ | ・お湯の再利用をする ・加水と加温が認められている ・循環に伴う消毒で、温泉成分が損なわれがち ・「循環・かけ流し併用」=循環ろ過のこと ・アルカリ性のお湯の場合、中性に傾くため注意が必要 |
こうして見ると、温泉の効能を重視する場合は「源泉かけ流し」か「源泉100%かけ流し」が良いことが分かりますね。
実は呼称は施設によって異なる
「源泉かけ流し」や「源泉100%かけ流し」が良いことは分かりました。
でも、温泉施設が正確にこれらを使って宣伝しているかと言えば、そうではありません。
平成16年ごろ社会問題になりましたが、源泉100%かけ流しをうたっていても加水や消毒がされているのも普通です^^;
こうした掲示は、現在では罰則もありますが、黙認というか放置されているのが現状です。
なので、自身の目や口コミで事前に確かめることが大切です。
循環・かけ流し併用?
「循環・かけ流し併用」という表記を目にすることがあります。
お湯の再利用をしているので循環ろ過と同義なのですが、かけ流しというワードにお客さんは弱いので、施設側も良いお湯であることを伝えるためにこのような表記になっているのです。
塩素殺菌消毒
お肌に良いのは、言うまでも無く塩素殺菌などされていないお湯です。
塩素殺菌をすると、温泉成分や還元性(アンチエイジング効果)が損なわれます。
特にアルカリ性のお湯は、酸性の塩素と反応して還元性が失われてしまいます。
循環ろ過の場合は、清潔にお湯を再利用するために、塩素殺菌されています。
源泉かけ流しの場合でも、条例等で消毒が義務付けられている場合もあります。
お湯の利用状況の確認方法
温泉法では、温泉施設に対して、施設内の見やすい場所へのお湯の状況の掲示を義務付けています。
受付や脱衣所・浴室への出入り口に掲示されていますので、これらを確認してみましょう。
【掲示義務のある主な内容】
- 源泉名
- 温泉の泉質
- 温泉の温度
- 温泉の成分
- 温泉の成分の分析年月日
- 浴用又は飲用の禁忌症
- 浴用又は飲用の方法及び注意
- 加水、加温、循環ろ過している場合は、その旨と理由
- 入浴剤を加えている場合は、その名称
- 消毒している場合は、その方法と理由
天然保湿成分メタケイ酸
最後に4点目です。
美肌の湯の条件として見落とせないもの。
それが天然保湿成分であるメタケイ酸を含む温泉です。
メタケイ酸とは?
- 肌の新陳代謝を促しセラミドを整える
- コラーゲンの生成をサポートする
- 保湿系の化粧品や入浴剤の原料に使用される
- 胃の粘膜を修復するため、胃薬の原料に使用される
100mg以上で美肌の湯
温泉水1kg中に50mg以上含まれていれば、温泉法上の温泉として認められます。
一般的には温泉水1kg中に100mg以上含まれていれば、美肌の湯と言われます。
私の体感では、100mg以上の温泉には結構出会うので、200mg以上だと「おおッ!!」と思いますね笑
日本一は、なんと689mgも含んでいる大分県の鉄輪温泉の熱の湯です。
美肌の湯の条件まとめ
以上4点、当サイトでの美肌の湯の条件をまとめました。
美肌の湯とは
下記5つの温泉で、源泉かけ流し・塩素殺菌消毒なしであること
これらのお湯ならば、高い美肌効果を期待できると思います^^
種類 | 条件・美肌効果・注意事項 |
---|---|
ナトリウム- 炭酸水素塩泉 (重曹泉) | ・炭酸水素塩泉のうち、陽イオンがナトリウムイオンのもの ・ナトリウムイオンが不要な皮脂を乳化・除去する ・ナトリウムイオンが肌の水分含有量を調整する ・入浴後は保湿が必要 |
カルシウム- 硫酸塩泉 (石膏泉) | ・硫酸塩泉のうち、陽イオンがカルシウムイオンのもの ・カルシウムイオンがニキビ・アトピー・乾燥肌のかゆみを鎮静する ・カルシウムイオンが皮膚細胞を再生し肌の弾力を回復し引き締める |
硫黄泉 | ・硫黄が肌に浸透し、メラニンの生成を抑制・除去する ・肌の古い角質を軟化し溶解する ・皮脂分泌を抑制するため、脂性肌に効果がある ・入浴後は保湿が必要 |
アルカリ性 の温泉 | ・pH値8.5以上のもの ・肌の古い角質を乳化し除去する ・アンチエイジング効果(還元性・抗酸化性)がある ・炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、硫黄泉(単純硫黄型)、単純温泉に多い ・入浴後は保湿が必要 |
メタケイ酸を 含む温泉 | ・メタケイ酸が温泉1kg中に100mg以上含まれるもの ・保湿効果がある ・肌の新陳代謝を促進しセラミドを整える ・コラーゲンの生成をサポートする |
美肌の湯 オススメ温泉ランキング
お待たせしました笑
美肌の湯5種類について、それぞれベスト3~5を選んでみました!
循環ろ過なし、加水なし、消毒なしの源泉かけ流しの温泉のみ選定しています。
老舗旅館、有名温泉地から山奥の秘境、共同風呂までバラエティ豊かです。
訪れる温泉の参考にしていただければと思います^^
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おわりに
本格派美肌温泉ランキング、いかがでしたでしょうか?
温泉の成分や効能、新鮮さなどを調べてみると、温泉に入ることや温泉選びがもっと楽しくなると思います。
みなさまの素敵な温泉ライフの参考にしていただければ嬉しいです^^