
日本の強アルカリ性の温泉、強アルカリ泉をまとめました。
pH10.0以上が強アルカリ性になります。
最新の温泉分析書に基づいており、分析から10年以上が経過している温泉地は省いています。
強アルカリ性の温泉地TOP3
第1位 新山根温泉(岩手)ph10.7
一時期源泉の枯渇により休業していましたが、新たな源泉で復活。
2021年の最新の分析書では、療養泉の硫黄泉ではなくなっているものの、フッ化物イオンの量で温泉とされています。
休業前の源泉で73mgあったメタケイ酸が、新源泉では0mgになってしまったのは残念ですが、新たな源泉のphは変わらず10.7で、日本一の強アルカリ温泉の座をキープしています。
第2位 大登温泉(愛媛)ph10.6
第3位タイ 桃源天恵泉(山梨)ph10.4
第3位タイ 飯山温泉(神奈川)ph10.4
日帰り施設が多い強アルカリ性の温泉ですが、貴重な泊まれる宿です。
強アルカリ性の温泉だが現状が不明な温泉
昔に強アルカリ性の分析結果が出ているものの、現在のお湯の状況は分からない温泉をこちらにメモしておきます。
都幾川温泉 旅館とき川(埼玉)
1990年の温泉分析書によりph11.3となっています。
強アルカリ性温泉日本一と言われることが多いですが、25年前の分析なので最新の分析が気になるところです。
白馬八方温泉 おびなたの湯(長野)
2009年の温泉分析書によりph11.2となっています。
アルカリ性の温泉では非常に珍しい、源泉100%かけ流しです。
強アルカリ性(pH10.0以上)の温泉一覧
県 | 施設名 | 泉質 | pH | 湯の状態 | 泉温 | 加温 | 加水 | 消毒 | メタ ケイ酸 | 総量 | 分析書 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
岩手 | 新山根温泉 べっぴんの湯 | なし | 10.7 | 循環ろ過 | 16.5 | ○ | × | ○ | 0 | 212.3 | 2021 |
愛媛 | 大登温泉 オーベルジュ内子 | なし | 10.6 | 循環ろ過 | 19.4 | ○ | ○ | ○ | 88.0 | 238.0 | 2015 |
山梨 | 桃源天恵泉 白根桃源天笑閣 | 単純温泉 | 10.4 | 循環ろ過 | 29.3 | ○ | × | ○ | 79.9 | 181.0 | 2014 |
神奈川 | 飯山温泉 元湯旅館 | なし | 10.4 | 循環ろ過 | 17.3 | ○ | × | × | 8.06 | 149.0 | 2013 |
埼玉 | 都幾川温泉 旅館とき川 | なし | 11.3 | 源泉かけ流し | 14.9 | ○ | × | × | 54.1 | 219.0 | 1990 |
長野 | 白馬八方温泉 おびなたの湯 | 単純温泉 | 11.2 | 源泉100% かけ流し | 49.7 | × | × | × | 5.5 | 128.2 | 2009 |
石川 | ねぶた温泉 海游 能登の庄 | 単純温泉 | 10.3 | 循環ろ過 | 25.1 | ○ | × | ○ | 46.7 | 206.0 | 2008 |
山梨 | ほったらかし温泉 あっちの湯 | 単純温泉 | 10.1 | 循環併用 かけ流し | 41.4 | × | × | ○ | 77.6 | 178.0 | 2005 |
和歌山 | リヴァージュ・スパひきがわ渚の湯 | 単純温泉 | 10.1 | 循環ろ過 かけ流し | 34.4 | ○ | × | × | 0 | 243.0 | 2009 |
熊本 | 平山温泉 華の番台 | 単純硫黄泉 | 10.0 | かけ流し | 46.5 | × | × | ○ | 53.1 | 252.3 | 日付なし |
湯使いメモ
桃源天恵泉 白根桃源天笑閣:源泉槽のみ加温・加水なし、消毒あり、かけ流し(泉温28.8℃)
日置川温泉リヴァージュ・スパひきがわ渚の湯:源泉湯と足つぼ湯のみ加水・加温・消毒なし、源泉100%かけ流し(泉温34.4℃)
アルカリ性(ph8.5以上10未満)の温泉
強アルカリ性に近い、アルカリ性の温泉をメモしておきます。(次の分析で強アルカリ性になるかも?)
県 | 施設名 | 泉質 | pH | 湯の状態 | 泉温 | 加温 | 加水 | 消毒 | メタ ケイ酸 | 総量 | 分析書 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
山梨 | はやぶさ温泉 | 単純温泉 | 9.9 | 源泉100% かけ流し | 41.3 | × | × | × | 0 | 187.0 | 2017 |
福岡 | ホテルグランスパ アベニュー幸楽の湯 | 単純硫黄泉 | 9.9 | 源泉かけ流し | 31.0 | ○ | × | × | 0 | 201.0 | 2017 |
熊本 | 平山温泉 やまと | 単純硫黄泉 | 9.8 | 源泉100% かけ流し | 54.3 | × | × | × | 84.7 | 270.0 | 2017 |
日帰り施設が多いアルカリ性の温泉。貴重な泊まれるホテルです。
アルカリ性の温泉を選ぶポイント
源泉100%かけ流しが大事
アルカリ性の温泉は、源泉100%かけ流しであることが重要。
なぜなら、アルカリ性温泉の最大の特徴が還元性にあるからです。
ポイントはこの2点。
- 酸化していない=長く空気に触れていない温泉→循環ろ過でない温泉が◎
- アルカリ性を保っている温泉→塩素消毒などで中和されていない温泉が◎
アルカリ性の温泉事情
源泉100%かけ流しが大事とは言っても、酸性の温泉には殺菌力がありますが、アルカリ性にはありません。
必然的に消毒か、頻繁な清掃が必要になります。
お湯を消毒をすると、塩素をまんべんなく回すために循環ろ過になりがちです。
こういった事情で、アルカリ性の温泉の源泉100%かけ流しは少なくて貴重なのです。
実際、強アルカリ性の順に調べた範囲内では、上位約30件の施設はほぼ循環ろ過でした。
つまり、アルカリ性の温泉の中でも源泉100%かけ流しの温泉というのは、消毒・循環する必要がないほど湯量が豊富でかけ流せて、かつ、こまめに施設の方が管理清掃している宿とみることが出来ます。
飲むアルカリ性温泉水。ph9.5の静岡県観音温泉の極上温泉水です。